アメリカの探偵

日本での探偵とは、各都道府県の公安委員会に探偵業の開業届けを出し、交付証をもらえば、それで探偵と名乗ることができるようになって実際に開業もできます。

しかし一方で、アメリカでの探偵というと、日本とはまったく異なります。

まず、アメリカで探偵になるためには、国や州が発行しているライセンスを取得しなければなりません。

この探偵のライセンスも、非常に難しく、厳しい審査となっています。

前科がある者はもちろん探偵にはなれませんし、人格や見習い経験の有無も審査項目に含まれています。

そしてペーパーテストと面接に合格しなければなりません。

さらにそれだけではなく、そもそも探偵のライセンス取得試験を受けるためには、市民による推薦と保証がなければならないという、非常に難易度の高いものとなっています。

そして無事探偵のライセンスを取得できたとしても、探偵事務所を設立する場合には、営業保証金というものを、供託しなければなりません。

そして秘密の厳守と虚偽報告の禁止、恐喝や権利侵害などの厳禁など、事務所開設にあたっての規定も細かく厳しいものになっています。

もしこれらの規定に違反した場合には、探偵のライセンスは剥奪され、もう二度と探偵にはなることはできません。

探偵ライセンス

探偵のライセンスを受けてしまえば、日本よりも探偵としてのステイタスは高く、行なえる調査業務も幅広いため、民間人とは違う扱いを受けます。

例えば、拳銃の所持や使用も認められていますし、個人信用報告書を閲覧することもできます。

個人信用報告書を閲覧できるということは、クレジットカードの使用履歴や保険の履歴、就職情報などを閲覧できるということです。

これは、個人情報保護が叫ばれる中で、非常に大きな特権となっています。

このように、アメリカでは探偵に対する情報公開制度は非常に充実したものとなっています。

さらに、アメリカの探偵は基本的に、州からのライセンスになるのですが、他の州とも連携が図れるように配慮もされています。

それは、1925年に設立された、アメリカ最大の探偵協会、World Association of Detectives(WDA)の力によるものです。

これは、州ごとに違う法律をもつアメリカや、国が変わるヨーロッパでも探偵の調査が可能になるように設立された国際的団体で、現在では世界中に900名の探偵が所属しています。

このように、特権的職業となっているアメリカの探偵ですが、現状として最も多い仕事の依頼内容は、セキュリティーに関するものが増加していっています。

ボディガードや子どもの送迎を警護するチャイルドカスタディといわれるものなどです。

治安の落ち着かないアメリカにとって、子どもを守るのは富裕層にある人々には、大変な問題となっているからです。

また他にも、プロバスケットボールチームの警護やプロアイスホッケーチームの警護なども行なっています。

アメリカで探偵になる方というと、主に元刑事だったり、政府のシークレットサービスをしていたりしていたということが多いのですが、他にも増えてきているのが、元諜報員だったという探偵です。

これは、特に東西冷戦後に増えてきている傾向にあり、現在はいったん落ち着いた状態にあります。

このように、アメリカの探偵は日本の探偵と違い、非常に高いスキルや高度な意識を持ったところにいた方たちが、探偵という職業を行なっています。

日本では、どちらかというと一般の生活から探偵になる方が多いので、スキルや熟練度の違いは、大きな差になっています。